A.木造住宅と現場管理 03.施工管理者の職務  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
7.原価管理

  予定した原価(コスト)内で工事を完了しないと、利益を減らすことになります。原価管理といっても施工現場での経理処理を行うということではありません。施主と契約した見積予算から、利益を差し引いた実行予算が立てられます。現場監督は、この実行予算をもとに現場を運営します。 施工管理の第二次管理である、建築生産要素に対する管理の、施工主体(作業者)、施工手段(機械・工具)、施工材料、施工方法といった4つのM(man、machine、material、method)をコントロールすることによって、予定した原価(コスト)すなわち実行予算内で工事を完了させるのが、原価管理です。 施工主体(作業者)に関しては、現場に入っても関連工事が終わっていない手間待ち、後日再度入らなければならない手戻りなどは、原価を押し上ることになります。また施工手段では、施工機械の騒音などから近隣からクレームが出て、工事の続行ができなくなった場合、実行予算を超えてしまう可能性があります。 施工材料では、現場での保管、養生が悪く、交換、再工事となると新たな費用がかかってきます。さらに施工方法が気象条件に合っていない場合、予定した品質が確保できず、修正工事が必要となった場合、工期が遅れ、追加の費用が発生することになります。