A.木造住宅と現場管理 09.木質材料の基礎  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
8.木材の強度についてA

  木材は自然の産物であるため、どうしても強度にばらつきが生じます。もし、このように強度にばらつきのある木材を、個別の強度測定をせず設計を行おうとする場合、どうしても安全側(弱めの強度)で計算することとなります。強度測定がされていない材を「無等級材」といい、下記の基準強度が与えられています。
前項の表と比べると、特にすぎのグループの無等級材の強度はE50以下相当であり、非常に弱い値となっています。この数値で構造計算を行うと、実際に使っている木材の強度からは不必要に大きな材を充てなければいけないことになります。しかし、測定によって強度が明らかな材を使うことでその木の強さに応じた構造設計が可能になり、仮に横架材を米松から杉に転換した場合でも梁成アップを最小限に抑えることもできるのです。
ただし、木造3階建などの非四号建築物の場合、構造計算で前項のヤング係数に応じた基準強度の数値を利用するには、その材料が「JAS認定」を受けている必要があります。強度測定をしていてもJAS認定を受けていない材は「無等級材」の扱いとなり、無等級材の基準強度を使わなければなりませんので注意が必要です。