A.木造住宅と現場管理 09.木質材料の基礎  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
9.木材の腐朽について

  木材は樹種によって耐朽性が大きく異なります。日本農林規格(JAS)では、樹種による耐久性を下の図のように定めています。主要構造部にはD1樹種を、土台など湿度が心配される部分にはD1特定樹種を使うことが望まれます。
木材が腐るには、「水」「栄養」「酸素」「温度」の4つの要素が全て揃うことが条件です。言い換えれば、このうちどれか一つを断てば、木材は腐りません。この4つのうち、人間が管理できるのは「水」です。しっかり乾燥された木材を使い、主要構造部に決して水分が侵入しないように施工を行うことで、腐朽のリスクを最小限にすることができます。それでも万が一、木材が水を含んでしまったとしても腐らないように担保するのが、防腐薬剤による処理だとお考え下さい。
しかし、この耐朽性は、全て木材の「心材」=「赤味」の部分のみです。基本的に辺材はどんな樹種でも腐朽するので注意が必要です。下の写真はヒノキの丸太片を林内に数年放置したものです。このように、辺材は腐っていますが心材は硬いまま残ります。