A.木造住宅と現場管理 07.地盤の安全性と地盤改良  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
10.地盤補強方法3(表層改良)

  表層改良は、軟弱地盤にセメント系固化材(粉体)を散布し、攪拌・混合することでその地盤を水和反応により硬化させ、強度を上げる工法です。
表層改良を採用する場合は、改良体の下部に、圧密沈下の可能性がある層が無いことが条件となります。つまり、建物直下の表層部分のみを改良しても、改良体の下の軟弱層で圧密沈下が起れば建物が改良体ごと沈下してしまうためです。傾斜地での切盛造成地で支持層・軟弱層が傾斜している場合や、軟弱層がばらついて存在している場合などは、施工範囲や改良体の厚さなどへの決定に特に注意が必要です。
また、改良体の厚さ(改良深度)は、山留めなしでの施工の場合において一般的にGL−2m程度迄が限度とされています。実際には、敷地の大きさや施工性を考慮し、隣地への影響が及ばないよう配慮のうえ厚さを決定する必要があります。また改良地盤の1回の転圧締固め厚さは、転圧機械の種類・重量等に応じて適切に判断してください。
1回当りの転圧締固め厚さの参考値(目安)
バックホーなどの重機の走行による転圧:目安1mごと
振動ローラーによる転圧:目安50pごと
ランマーによる転圧:目安30pごと
※なお、プレートコンパクターのみによる転圧は望ましくありません。