D.木造住宅の品質管理 12.確認検査機関の検査  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
6.瑕疵担保責任保険を付保するための条件

   保険をかけるためには、設計・施工に当たって、保険法人の提示する設計施工基準を順守する必要があります。
 これに反する設計、施工を行う場合は、設計段階で、設計施工基準第3条に掲げられている、本基準により難い事項、の申請を行い、事前に保険法人との協議を行い、合意をする必要があります。この手続きを行わず、設計・施工し、検査の段階で発見された場合、検査に合格しない可能性があります。合格しない場合は、保険を掛けることが不可能となりますので、建物が完成したとしても、瑕疵担保履行法に違反する違法建築物となり、引渡しできない可能性があります。
 木造住宅の場合、最低の仕様で建築されている場合以外は、建物に余力があることから、施工上多少のミスや不整合を見逃しても、担保期間である10年で建物に影響が出ることはあまりないと考えられ、検査においてそれほど細かい指摘はない場合が多く見受けられます。
 近年の傾向である長寿命住宅は、10年間の保険の担保期間を超えて存続する建物を建設していることから、保険の検査の合格によって、品質が十分であるという認識は持たず、自社独自での管理の品質を高めることが必要です。