A.木造住宅と現場管理 15.施工技能者管理と法制度  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
9.社会保険の基礎知識(その2)

   また、「適用事業所」については、2つの定義があります。
 @ 常時五人以上の従業員を使用するもの
 A 国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの
 ということは、組織の形態は何であれ、5人以上の従業員を使用する場合、あるいは、法人、工務店でいえば、株式、有限、相互他なんであれ会社であれば、従業員数に関わらず「適用事業所」だということになります。
 さて、そもそも健康保険とは何か、ということですが、例外規定に「国民健康保険組合の事業所」とあるように、いわゆる国保以外が健康保険に該当し、「被用者保険」と呼びます。その種類は、工務店に関係のない船員保険を除くと3つの種類に分類できます。
 @ 全国健康保険協会管掌健康保険。いわゆる「協会けんぽ」です。これは、健康保険組合を持たない企業、すなわち、主に中小企業の従業員で構成されるものです。
 A 組合管掌健康保険(組合健保)。工務店で組合を設立している例はほとんど無いと思います。これは、主に、大企業や企業グループ(単一組合)、同種同業の企業(総合組合)によるものです。企業グループや同種同業の企業とありますが、国保組合ではありません。
 B 共済組合。公務員や私立学校の職員が対象ですので、工務店には関係がありません。
 健康保険はまた、厚生年金とセットで加入する必要があることが特徴です。厚生年金については、後で詳細を述べますが、その前に国民健康保険について整理しておきます。