A.木造住宅と現場管理 13.コミュニケーション  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
7.現場近隣住民に対するコミュニケーション

   住宅建築工事をスムーズに進行するためには、近隣へ対する配慮とコミュニケーションが不可欠です。
 そして、近隣住民の不満の矛先は、多くの場合建築会社だけではなく施主へも向けられてしまい、結果、施主の不満へと繋がりかねないということを現場管理者は認識しておく必要があります。
 この対策には、まずはしっかりとした仮設計画を立てることが重要です。仮囲いや仮設トイレの設置位置の近隣への配慮、資材や残材の保管場所や養生などを検討しましょう。実際に現場で作業する協力業者とも事前に打合せを行い、特に工事車両の駐車には近隣住民に対して充分な配慮が必要です。
 その上で、必ず着工前には近隣住民へ挨拶に訪問し、工事期間や内容の説明を行いましょう。この時、口頭だけではなく、後でも説明内容や連絡先などが確認できる書面での挨拶文等も持参し、渡しておくと良いと思います。出来れば施主も一緒に挨拶に伺えば、より良いコミュニケーションが取れるでしょう。
 着工後も、騒音や振動など近隣への影響が大きな工事日の前には、適宜挨拶に伺うなどの配慮が必要です。例えば、コンクリート打設、上棟、外壁吹付け、大きな資材の搬入などの作業の前には、近隣への挨拶回りをしたいところです。
 また、工事完成時の近隣への挨拶回りも是非実施しましょう。
 現場は、近隣だけでなく通行人等も含めて注目されており、自社にとって最高の広告の1つであるという自覚を持って、協力業者も巻き込んだ近隣に対するコミュニケーションを実践してください。