A.木造住宅と現場管理 13.コミュニケーション  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
2.施主とのコミュニケーションの意味

   現場管理者が行う施主とのコミュニケーションには、大きく分けて2つの意味があります。
 1つ目は、毎日自分で現場を見ることが出来ない施主へ、工事の進捗状況や今後の予定などを伝える「報告」という役割です。
 施主は日々進行する工事の状況を不安と期待を持って見守っています。現場管理者は、建築のプロではない施主の代わりに現場へ赴き、品質や工程を管理しているのだという自覚を持って日々の報告をする必要があると思います。
 そしてもう1つは、その報告を介して、施主からの疑問や質問を引き出し、潜在的な不安や不満をより早く把握して解消する、「カウンセラー」的な役割です。
 先に述べましたように、施主はいつでも期待と不安を抱えています。現場管理者の職務として、完成時の建物の品質の確保はもはや当たり前で、その過程での満足を施主に与えられるかがこれからの現場管理者に求められていると思います。