A.木造住宅と現場管理 10.緊結金物・金物工法  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
17.金物工法について(その2)

  E木材の選択
 マニュアルに適用する木材の樹種が記述されていればそれに従います。樹種が同じであっても、製材と集成材では、定められた耐力値が異なります。不明な場合は、メーカーに問い合わせて下さい。
F木材の含水率
 必ず乾燥材を使用します。写真1に示すようにマニュアルには使用できる乾燥の度合をSD25以下、SD20以下など指定しているものもあります。未乾燥材では、構造金物を留める六角ボルトやドリフトピンが、材の乾燥によってゆるんで接合部にガタが生じます。特にドリフトピンは、乾燥している集成材建築物に用いられてきた接合具です。
G接合具の穴あけの加工精度
 一般に、写真2に示すように接合具の穴あけや材端部の欠き込みは、プレカット工場で行われます。下小屋や現場では、専用の加工機械や電工工具を補助する治具を使って、加工精度を高める必要がある。補助治具を用いない手加工は、接合部にガタやズレが生じやすく、耐力にも影響します。
I接合部の施工チェック
 架構を立ち上げ後、接合部に六角ボルトやドリフトピン等の接合具の入れ忘れがないか確認する。確認には、伏せ図や金物取り付け図を用いて検査結果の記録を残し、施工者、検査者の責任を明確にすることが大切である。
以上の項目を確認することで、構造金物に関わるトラブルの発生を未然に防ぐことが可能となる。