A.木造住宅と現場管理 10.緊結金物・金物工法  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
15.木材の選定と出隅柱−土台端部の仕様

   筋かいは圧縮力を受けると座屈します。写真1は、たすき掛け筋かい耐力壁の面内せん断試験の様子です。左方向より桁材に水平力を加えると、圧縮力を受けた筋かいが中央部分から座屈して折れました。この破壊状況は、地震の被害調査でも確認されています。写真2は、兵庫県南部地震(1995年)による木造住宅の被害状況です。地震力により圧縮を受けた筋かいが座屈し、ラス下地とモルタル外壁を突き破っています。筋かいの中央部に節があるとかなり座屈し易くなりますので、木材の選定にも気を配って下さい。  
出隅の通し柱は、低倍率の耐力壁であってもなるべく基礎に埋め込んだアンカーボルトと引き寄せ金物で緊結する仕様を推奨します。この仕様は、土台端部の割裂を防ぐ上で有効です。土台端部は余長がないため、写真3に示すように、接合具による土台の繊維直交方向の割裂が起こり易くなります。