A.木造住宅と現場管理 10.緊結金物・金物工法  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
7.告示1460号の表とN値計算の違い

   前画面の図は、告示の耐力壁の配置条件でしたが、この条件の基に告1460号第2号表一〜表三が規定されています。したがって、告示表から設計した住宅の接合部の構造方法を選択すると、前画面の耐力壁の配置に応じた構造方法が選択されます。つまり、設計した住宅の1階の耐力壁が倍率4であれば、その上階が開口部(倍率0)であっても、告示表では2階も倍率4の耐力壁を有するものとして、1階柱の柱脚・柱頭の構造方法が選択されてしまいます。また、実際の住宅では耐力壁が柱を挟んで隣り合って配置されることもあり、その場合、当該柱に作用する引抜き力は、両隣の耐力壁の倍率の差により軽減されますが、告示表では軽減されません。  
例えば、図に示すA邸の耐力壁の配置の場合、告示表により柱脚・柱頭の構造方法を選択すると、表に示すとおりの接合金物(網掛け部分)となります。N値計算で選択された接合金物と比べると1ランク上の構造方法になっています。告示表では安全側であるが過剰な耐力を有する接合金物が選択されてしまいます。  
柱脚・柱頭に必要な構造方法は、N値計算を行った結果から接合金物を選択することを推奨します。