A.木造住宅と現場管理 10.緊結金物・金物工法  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
3.告示1460号が要求している接合金物と構造方法

  告示1460号が要求している接合金物と構造方法
 図は、告1460号を満たす諸金物の位置付けを示したもので、図中の@〜Dのカテゴリーに区分できます。
@Zマーク表示金物 告1460号第1号および第2号の表三(い)〜(ぬ)中の鋼材の板厚やくぎ、ボルトなどの規程から、Zマーク表示金物の規格を条文にしたものです。
ADマーク表示金物(Zマーク同等認定金物) 同等認定金物の板厚や接合具はZマーク表示金物とは異なりますが、Zマーク表示金物と同等の耐力及び耐久性を有すると(財)日本住宅・木材技術センターが認定した金物です。告1460号表三(い)〜(ぬ)には「・・・、またはこれと同等以上の接合方法とする」と規定していることから、「Zマーク同等認定金物」も告示を満足しているものと判断できます。
BSマーク表示金物(性能認定金物) 性能認定金物は、構造実験により許容耐力(Pa)が示されている金物であり、告1460号が要求する接合部の耐力との比較を行うことで告示との適合性を判断できます。
CA:その他の金物(図の左側) 告示が規定する仕様(鋼材の板厚やくぎの規格や使用本数)に適合する金物であるが、Zマーク表示金物やDマーク表示金物のカテゴリーに入らない金物を示しています。
DB:その他の金物および構造方法(図の右側) 告示の各号に規定する同等以上の接合方法で判断される金物であるため、告示が要求する性能と金物の性能との比較検証を行うことで、告示との適合性を判断することができます。なお、このカテゴリーに属する接合金物は、構造実験が実施されていることが必要です。一般に、構造実験の試験成績書には、基準耐力(Po)が表示されています。実際に使用するには、設計者や評価機関が接合金物の用途、耐久性、施工性およびその他工学的な判断による評価を行い低減係数(α)を算定し、基準耐力(Po)に低減係数(α)を乗じて許容耐力(Pa)を求める必要があります。告示が要求する性能との比較に基準耐力(Po)を用いてはなりません。