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地震が発生し、その地震力が、耐力壁から床構面を経由して建物全体に伝達される際に、接合部が地震力によって生じる引抜き力に抵抗しきれないで外れたりすることを、接合部の先行破壊といいます。
木造建築物の構造安全性は、地震力に対して筋かいや構造用合板などの耐力壁や水平構面が抵抗することで確保されています。許容応力度設計、N値計算や告1460号による柱脚・柱頭の構造方法は、地震や台風などの繰り返しの加力に対する終局耐力や靭性確保も見込んでおり、極めて稀な大地震にも抵抗できることを考慮しています。
先行破壊が生じれば、耐力壁や水平構面などが果たす本来の機能が発揮できなくなり、建物の倒壊に繋がります。高倍率の耐力壁には引き寄せ金物が必要になるケースや15kN以上の引き寄せ金物は基礎からのアンカーボルト(M16)に緊結しなければならないことの背景には、接合部の先行破壊に対する配慮があるからです。
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