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大手住宅メーカーと工務店とを対比する論文などが散見されるが、基本的に年間6戸以上の工務店と6,000戸を供給する住宅メーカーの生産の仕組みにおいて大きな違いはない。
あるとすれば、住宅メーカーはプロダクトの徹底した合理化と標準化、コストへの弾力性の強さといった部分とプロデュース部分での分業化そしてネット対策等も含めた営業というスタンスの取り方の差異にある。
それ以外の現場生産における「品質管理」の悩みは共通化しており、大手と工務店を原型として対比させる意味はない。
こうした生産組織上での差異は大手が生産組織を自らの手の内に持っておらず、もっぱら工務店を協力業者の元締め的に活用し、売りのためのプロデュース部分での比重を重視している、という部分にあった。
しかし、現在は工務店もプロダクトの部分よりも、プロデュースの部分が重要な位置を占めており、情報発信力や見学会等イベント力によって業績に差異が生じている。
工務店は、プロジェクトリーダーとして請負者全体のエージェントの役割を担い、発注者からの請負業務を一括して請けこれらを管理し、設計、各種申請、工事発注と現場管理を行い、大工を初めとし凡そ30に近い職種を施工の方法、段取り、原価管理等を把握し、施工検査や顧客の変更要望等を整理し、その意に沿った木造住宅を生産統括する組織である。しかし、近年は躯体住宅スーパーサブコン(プレカット工場)、屋根、外装スーパーサブコンといった形での複合的な施工を受注する職方形態が登場し、木造住宅の生産組織の合理化も進んでいる。
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