A.木造住宅と現場管理 08.木造住宅の構造安全性  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
7.N値計算

  建設省告示第1460号に規定されている接合金物の仕様基準は、1階と2階で同じ倍率の耐力壁が使用される前提です。したがって、一般的に行われる配置よりも安全側で厳しいものになっています。これを解消するための方法がN値計算です。同告示のただし書により、実際に柱に生じる引張力を構造計算により求め、その数値以上の耐力を有する接合金物を選定する場合は仕様基準によらないことができます。構造計算により柱の軸力を算定するのは非常に労力を要しますが、N値計算であれば、耐力壁の倍率と、上下・左右の配置が分かれば割と簡単に計算することができます。
同告示も実はN値計算によって決められた仕様ですが、前述のとおり「1階と2階で同じ倍率の耐力壁が使用される前提」があるため、実際の配置で計算しなおすと結果が異なるのです。