D.木造住宅の品質管理 08.断熱材  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012
1.屋根断熱

   瓦屋根は別として、金属やスレート系屋根材は屋根面の熱が直接的に裏面に抜けます。夏場で凡そ80度にはなります。これによって断熱材の劣化が進み、性能劣化が生じてしまいます。この劣化を防ぐには通気層が必要であり、凡そ35ミリ程度の通気層が確保されているかどうかのチェックは大切です。
 なぜそれだけの通気層が必要なのでしょうか。マット状のグラスウールなどは施工後膨らみが進み通気を阻害し、劣化を助長する可能性があるのでこの幅の通気層確保が必要なのです。
 また、垂木下地に透湿防水シートの連続した施工がなされているかの確認が必要です。
 このことは断熱施工の基本でもあります。切れや隙があると水蒸気が入り込み屋根裏で結露し、垂木などを腐朽し、カビが発生し天井面を汚す可能性があります。また設計上の断熱性能も出ないこととなります。従って屋根断熱材としては、ボード状の膨らみのない断熱材を使用するケースも増えています(写真)