鉋身の裏出  大工木工技能  第4日目
  裏出の操作はそうとう微妙な仕事で熟練を必要とする。うっかりするとたたきそこね堅割(たてわれ)を生じやすいから、十分注意して行う。裏出の要領は、左手で鉋身を正確に握り、裏面を金床の縁に押しつけ、たたく反動で刃先がはね返らないように注意してたたく。たたく方の右手の位置が変わらないように、肘を体につけて手許(てもと)の狂わないようにたたく。玄能はあまり固く柄を握らないで、むしり軽く握って玄能の重さにまかせて軽く何度も裏刃の出加減を見ながら打ち出す。たたく玄能の稜(かど)と、刃と金床の稜とが正しく重ね合っているようにたたけば、地金が押し伸ばされて裏刃がふくらむ。このように裏出をするときは、玄能と稜と切刃面のたたく部分と金床の稜とが、正しく一線上にあることの注意が大切である