鑿(のみ)は木工具の中で最も古くからあり、石器から青銅器を経て鉄器に至たもので、鉄製の鑿は古墳時代に大陸から伝わった。鑿は主として穴を掘るために使われるが、木材を削り砕く鉄製の刃物の部分と、手で持って使うのに便利なように取り付けた柄(つか)の部分とからできている。
日本の鑿は刃物の部分が柄にあけられた穴に差し込まれているが、中国で鑿が生まれた当時は、柄を固定する部分が袋状になっていて、柄をここに差し込む構造になっていた。中国の鑿は現在でもほとんどがこの形になっている。
鑿には玄翁や金槌で叩いて使う叩鑿(たたきのみ)と、腕の力で部材を削る突鑿(つきのみ)とがある。
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