チン族(Chin)  
  チン族は、主にミャンマーの西北部のチン州を中心に居住し、人口は約200万人となっている。彼らはまた、インドのナガランド州、ミゾラム州とマニプール州とアッサム州などにも1万4000人ほどが住んでいる。 チン族の人々はチベット・モンゴルが起源で、おそらく9世紀後期または10世紀頃にミャンマー、特にチンドウィン川の谷に進出した。ほとんどのチン族は西へ移動し、彼らはおそらく1300年から1400年のあたりに現在のチン州に定住したと考えられる。チン族は、文字による彼らの歴史記録を持たず、口頭伝承で歴史が伝えられている。 1824年、英国はミャンマーを征服したが、1886年のチンヒルズ規制法で、ミャンマーの残りの部分とは別に、英国による間接統治がなされ。チン族の首長は、政治パワーを持っていた。1948年に英国からのミャンマーの独立後も、チン族の人々は民主的な政府に従わず、伝統的な行政ルールを継続したが、1988年国軍が全権を掌握後、その継続が難しくなった。そのためチン国民戦線(CNF)とその武装組織、チン国民軍(CNA)を結成し、軍事政権に対して抵抗を続けた。  
     
     
  チン州はミャンマー西部に位置し、一般には北へ行くほど山の標高は高く、大きな街でも1500mから1800mほどの尾根の上にある。雲の上に街があるような錯覚に襲われ、まるで天空の街である。チン州の人々はまさに山岳民族という名にふさわしい生活を送っている。川が流れる谷底では水が豊富にあるにも関わらず、不便な山の上での生活を頑なにまた誇り高く守りつづけている。チン州の州都ハッカ(標高1863m)では氷点下になることもあり、住居は温帯風で高床式ではない。  
     
  門を入ってすぐの右脇に鍛冶場が設けられている。  
     
  玄関前の広い軒先部分に、若者衆の部屋が中2階に設けられている。この一刀細工の細い階段で昇ってゆく。  
     
     
     
     
  冬季は寒いので、高齢者のための室内トイレが設けられている。  
       
  裏手のベランダの脇に外部トイレが設けられている。