ナシ族は、総人口308839人(2000年)、雲南省西北部の海抜高度1000~2000 メートルの盆地や丘陵部に居住する。四川省南部やチベット自治区東部の茫康県にも一部分布する。民族自治区域としては地級市である麗江市に所属する玉竜ナシ族自治県があるが、麗江市の中心部である古城区にも多く居住している。
ナシ語はチベット・ビルマ語族イ語グループに属し、民族的にはイ族やリス族に近い。ただ漢族との往来が多く、大部分は中国語も話せる。ナシ族はトンパ文字と称する象形文字を持っているが、宗教的に使用されるのみで、別に表音文字もあった。しかし、これもあまり使用されず、1957年に制定されたラテン文字も行われている。トンパ文字は現在も宗教的に使用され原始仏教にもっとも近いとされ世界唯一の生きた象形文字としてユネスコ世界の記憶に登録されている。 |
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