ミャオ族(苗族)、中国の国内に多く居住する民族集団で、同系統の言語を話す人々は、タイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムなどの山岳地帯に住んでいる。中国では55の少数民族の一つである。しかし、中国の総人口は12億4000万人(2000年統計)で、漢族(約11億3000万人)が圧倒的多数を占め、少数民族といっても1億1000万人の人口があり、相対的な少数である。ミャオ族の総人口は894万116人に達し、中国の少数民族としては、チワン族(約1617万人)、満州族(1068万人)、回族(981万人)に次ぎ四番目である。雲南省には104万3535人が居住する。山間盆地や斜面に集落を営む山地民である。焼畑を営んで陸稲や畑作物を作って移動を繰り返してきた人々と、棚田を巧妙に作って水稲稲作を行う定着した人々がいる。ただし、中国国内の「苗族」は、1949年の中華人民共和国の成立後に、民族識別調査を行った結果、政府から公認された「創られた民族」であり、政治的な統制と支配を行うための社会制度としての性格もある。一方、東南アジア各地の同系統の人々は一般には自称モンの人々が多く、移動性の高い暮らしを送っており、それぞれの国の少数民族である。タイでは北部の山岳地帯に居住し、タイやラオスではモン
(mong) で、白モンと青モンに分かれる。 |
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