現場監督WBT(Web Based Training system)とは

 SAREXでは今年度も含め「現場監督鍛錬塾」を6年間続けてきました。現場監督は、現在の木造住宅の生産現場には不可欠な人材です。  
 しかし、この塾に参加する現場監督たちは、殆ど現場管理の基本を「伝承」といった形で受け継いでおり、監督の本質、つまりは工務店における施工管理の重要性、リスクといったことに対して、あまり深く追求されていないようでした。  
 工務店もほんの15年ぐらい前までは、大工を監督代わりとして機能させていました。しかし、2000年の品確法の施行等から施工管理が曖昧であることのリスクが高まり、優秀な現場監督の育成が必要となっていますが、その育成方法は前述の通りです。  
 さらに現場監督としての職能が確立しないままの工務店すらあります。  
 しかし、現場管理を疎かにすると、基本的には顧客の満足度を得ることも困難となります。現場から潜在顧客を作り出すこともできないでしょう。


現場監督WBTの特徴

 そこで、現場監督とは何か、現場監督としてこれぐらいのことは知っておこう、といった視点からSAREXとして、現場監督に求められる事柄をまとめ、これらを教材としてWEB上で、監督のみならず木造住宅生産に関わる人々が、興味深く勉強できる仕組みを構築しようと考えたのが、このWBT(ウェブを利用した学習システム)です。  
 このWBTの特徴は、文字、画像情報だけの提供ではなく、文字情報を音声情報として届けるものです。それによって、より集中した知識取得が可能となります。  
 こうした形での人材育成システムによって現場監督の基本的な人材水準を示すことができ、新規参入者にはその水準へと至るための教材として、現役の監督には自己知識、自社管理システムの検討の材料として、経営者には自社の品質とリスク対応の見直しのポイントチェックとして役に立つものとして作成されます。


概   要

A.木造住宅と現場管理
木造住宅および施工管理の基礎的知識を学びます。
1)木造住宅の現場管理/2)工務店と生産組織/3)施工管理者の職務/4)現場のリスク管理/5)現場の環境マネジメント/6)現場関連法規制の順守/7)地盤の安全性と地盤改良/8)木造住宅の構造安全性 /9)木質材料の基礎/10)緊結金物・金物工法/11)住宅資材と住宅部品/12)工具・建設機械/13)コミュニケーション/14) ビジネスマナー/15)木造住宅施工と技能者管理の法制度
B. 木造住宅の施工計画
PDCAサイクルのP(計画)の部分の基礎知識を学びます。
1)PDCAと品質マネジメント/2)設計からの引き継ぎ/3)現地調査/4)施工計画書/5)実行予算書/6)工程計画/7)専門工事業者の選定と発注/8)資材の発注/9)プレカット工場との対応/10)仮設・養生計画/11)資材の保管/12)各種届出と掲示/13)近隣挨拶・近隣対応/14)上棟式・施主対応/15)現場の保全計画/16)緊急時の体制及び対応/17)建設副産物の適正処理方法/18)仕様変更・追加工事への対応/19)着工前ミーティング/20) 現場見学会
C.木造住宅の工程管理
PDCAサイクルのD(実施)の部分の基礎知識を学びます。
1)着工準備/2)水盛り遣り方/3)基礎工事/4)外部足場掛け/5)建て方/6)野地・間柱・筋違/7)屋根・板金工事/8)建具・ガラス工事/9)外装工事/10)断熱工事/11)造作/12)左官工事/13)タイル工事/14)塗装工事/15)内装工事/16)外構工事/17)電気工事/18)給排水工事/19)美装工事
D.木造住宅の品質管理
PDCAサイクルのC(チェック)およびA(改善)の部分の基礎知識を学びます。
1)敷地、地盤/2)基礎・鉄筋/3)基礎脱型/4)土台/5)屋根/6)軸組/7)外壁/8)断熱材/9)設備配管/10)内装下地/11)竣工検査/12)確認機関の中間検査・完了検査/13)性能表示の施工検査/14)施工品質チェック記録/15)施工反省会