D.木造住宅の品質管理 10.内装下地  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012

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機器類を取り付ける為の下地は、石膏ボードの変わりに合板を貼ってしまう方が簡単で確実ですが、何か問題はありますか。

法的には、住宅で木造平屋建て、木造2階建以上で、最上階を除く火気使用室以外では内装制限がかからないので問題はありません。木造3階建て等の準耐火建築物では不可です。しかし内装制限がかからない部位でも、合板と石膏ボードの伸縮率や動き方が違うために仕上げ材のクラックや段差の原因となりやすいです。過去の住宅では、この方法が多く行われていましたが、特に冷暖房が隅々まで効くようになった最近の高性能住宅ではその現象がわりと早いうちから発生してしまうケースか見られます。造りつけ家具や設備機器で全て隠れて見えなくなってしまう所以外は、合板を取り付け下地代わりとすることはなるべく避けましょう。

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マグサやボードジョイントなどの下地の入れ方は大工さんがそれぞれ考えてやってくれます。このような小さなところは経験のある大工さんに任せておいた方が良いでしょうか。

大工や職人の長年の経験は、計算や理屈では求められない、その人だけが持つすばらしい能力です。しかし、それが全て正しいとは限りませんし、新しい事に対して常に見直しを行う事が大事です。またお客様聞かれた時の返事が“大工さん任せ”では信用を失なってしまいます。
小さなことでも経験のある大工や職人さんの意見を元に話し合いの場をつくり、会社の標準仕様を作って考え方を統一しておく事、現場監督が細かな事まで理屈や考えをしっかり持つことが、よりスムーズな品質管理に繋がりお客様の信頼を得る事ができます。