D.木造住宅の品質管理 03.基礎脱型  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012

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基礎の全長や対角の誤差にはきまり等はあるのでしょうか、またどのような影響が出てくるのでしょうか

建物の傾斜限度については、床の傾斜と壁の傾斜については法律や紛争処理の観点から決められていますが、水平方向のゆがみについてははっきりとした決りはありません。構造上はある程度歪んだ場合は力の伝わり方などが変わったり、仕口の強度が落ちたりしますが、もっと小さな歪みでも見た目の影響が出てしまいます。直角のものが取り付いたり、置いたりすると、スキマが出来てしまいます。また、フローリングの目地や目透かし天井などで、建物の歪みはわかってしまいます。歪んでいると施工上も材料の調整が必要になり効率は落ちます。実際にどこまでの歪みを良しとするかは施工業者や大工の感覚で決めていることになりますが、部屋の角に机を置いたときに見てわかるような隙間が空くようでは質の良い住宅とは言えないでしょう。

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コンクリートは冬場に凍結対策の養生が必要ですが、夏場に気をつけることはありますか。

コンクリートの養生期間は、気温が低すぎても高すぎても影響が出ます。特に夏場は日射熱によってコンクリートの硬化が起こる前に蒸発によって乾いてしまう事があります。この場合、表面から大きなクラックが複数はいることがあります。このような事を起こさない為に、なるべく日中暑い時間の打ち込みを避け、散水による養生を行うことが重要です。もしクラックが入ってしまったら、専用のエポキシ樹脂の補修材がありますが、補修後の見た目は悪いので、夏場は始めから散水養生を計画しておいた方が良いでしょう。