C.木造住宅の工程管理 12.左官工事  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012

(C121)
漆喰仕上げとはなんですか。

消石灰に砂と糊などを混ぜ、ひび割れを防ぐため麻などの繊維質を加えて水で練り上げた、日本独自の塗壁仕上げで、城や土蔵などに用いられた仕上げです。
日本で使われている漆喰には、@本漆喰:現場で昔ながらに海藻(フノリ)を炊いてのりを作り、麻すさ(麻の繊維くず)と塩焼き消石灰を混合して作られる。A土佐漆喰:3ヶ月以上発酵させた藁と塩焼き消石灰と水を混合し、1ヶ月以上熟成させたもの。そのため藁の成分が発色し、施工直後から紫外線で退色するまでは薄黄〜薄茶色の姿に仕上がる。B既調合漆喰:漆喰メーカーが製造した漆喰製品。一般に塩焼き消石灰と麻すさ、粉末海藻のり、炭酸カルシウムなどの微骨材が配合された粉末製品。水を加え練ることで漆喰として使用される。C琉球漆喰:藁と生石灰を混合したものに水を加え、生石灰に消化加熱反応を起させることで藁を馴染ませ、さらにそれを擂り潰し熟成させたもの。などがあります。

(C122)
珪藻土を塗ったあとに、壁にカビが生えてしまいました。どうしてでしょうか。

珪藻土は、湿度(湿気)をコントロールすることにより、結露(水分の発生)を起こさないようにし、その結果、カビの発育(発生)を防止します。しかし珪藻土が施工後、乾燥に時間がかかり水分を保持している時間が長すぎた場合や、湿度(湿気)が多過ぎるため、コントロールしきれずに結露をおこしてしまった場合、カビが発育(発生)することがあります。

(C123)
梅雨時に室内の左官工事を行う場合はどのような点に気をつけたらいいでしょうか。

梅雨時の仕上げ塗りは、基本的には避けるようにします。梅雨時は乾燥が遅いため、扇風機や除湿機などを使用して高温・多湿状態を防ぎ、室内の空気を滞留させないよう注意してください。しかし扇風機を使用する際は、施工面に直接あたらないよう調整してください。

(C124)
既調合モルタルとはなんですか。

セメント・骨材・混和剤等がそれぞれの作業用途に合った最適な配合がなされており、既調合なので常に安定した品質が得られます。左官下地用、タイル下地用などそれぞれの作業用途に合った既調合モルタルがあります。