C.木造住宅の工程管理 09.外装工事  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012

(C091)
金属系外装の電食とはどのようなものしょうか。

種類の異なる金属を接触させ電解質溶液中に浸漬すると、両者の標準電極電位が異なるため、イオン化傾向の大きい金属と小さい金属の間に、電位差が生じ電池が形成され電流が流れ腐食が生じます。これが電食と呼ばれるものです。
めっき鋼板や塗装鋼板と銅(含む銅イオンの滴下)や鉛の直接接触するような施工は避けることが必要です。また金具や付属物は、ステンレス(SUS304)・アルミ製・亜鉛厚めっきの耐久処理や塗装品を使用してください。

(C092)
ラスモルタルで通気層を確保する場合、ラスモルタルの下地の防水紙は、アスファルトフェルトでよいのでしょうか。

アスファルトフェルトではいけない理由はありませんが、通気層工法を用いていることから、モルタル裏面の湿気も通気層内に排出できると考えられることから、ラスモルタル専用の透湿防水シートを使用するとよいと考えます。通常の透湿防水シートは、表面に撥水加工が施されていて、モルタルの付着が悪く剥離を起こす可能性高いため、使用できません。
通気層がない場合に、ラスモルタルの防水紙として、透湿防水紙を使用すると、モルタルの湿気が大気に開放されている状態ではないため、透湿防水紙を透過し、壁体内に放湿される可能性が高いので、避けたほうがよいでしょう。透湿防水シートは、設計や仕様を確認、理解して使用します。

(C093)
透湿防水紙を下地としてサイディングを直貼りすることは可能でしょうか

一般的に通気層工法で二次防水に使用される透湿防水シートは、通気層工法用として作られたものであり、シートに外壁材を直貼りすると、湿気の排出が行われず、サイディングの劣化や躯体の劣化を引き起こす可能性が高くなります。また、シートメーカーで提供している物性保証も受けられなくなりますので、使用方法を誤らないようにします。

(C094)
準防火地域でも軒裏に木材を使えますか

準防火地域では延焼の恐れのある範囲において、軒裏の防火性能も必要とされますが、木材で構成することが可能です。厚さ30mm以上の板を野地板として使用し、外壁から1m以上、室内側へ飲み込ませます。かつ厚さ45mm以上の面戸板を垂木間に隙間なく設置することで45分準耐火構造の木製軒先が設置可能となります(H12建築基準法告示第1358号)。
設計や施工にあたっては、軒先は燃え落ちても、小屋裏、屋根等の構造体が発火しないような防火ラインを念頭に置いて詳細な納まりを考慮する必要があります。