B.木造住宅の施工計画 10.仮設・養生計画  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012

(B101)
近隣の敷地に入らないと仮設足場が立てられません。どうしたらいいでしょうか。

施主と相談した上で、隣地所有者に仮設足場を隣地に立てることをお願いしましょう。以前に隣地の住宅が建てられる際に、施主が断っている場合もあります。こうした場合は、隣地を借りないでやってくださいということになります。またお隣に借りを作りたくないから、敷地内で対応してという場合もあります。いずれにしてもまずは施主と相談することが必要です。

(B102)
上棟時、雨に濡らさない現場にするためには、どのような養生をしたらよいでしょうか。

雨に濡らさない工夫をしているSAREXメンバーの奥山建設の村岡さんは、乾燥材や合板を使っているのに、構造材を雨に濡らすのは非常識ですと言っています。上棟したばかりの建物を濡れないようにすることはとても大変です。大変でも必要なことはやるのが当たり前です。10m角のブルーシートを5枚以上使い濡らさないように工事をしています。本当にやっているんですか?と信じてもらえなかったこともありました。想いのある工務店と、想いのある大工でなければできないかも知れません。早く雨に濡らさない上棟が当たり前になることを願っています。

(B103)
上棟予定日に台風が接近してきていることがわかりました。どのように対応したらいいでしょうか。

建て方のほとんどが移動式クレーンが使われています。移動式クレーンは、風により安定度、強度及び操作に大きな影響を与えるため、事故につながる恐れがあります。平成4年にクレーン等安全規則が改正され、強風時の作業中止について定められました。野外での作業は、天候の影響による移動式クレーンの転倒や荷振れ等の危険防止のために気象に注意し、危険が予想される時には作業を中止しなければなりません。移動式クレーンの作業は、10分間の平均風速が10m/s(強風)以上の場合は、作業を中止しなければなりません。
最大風速(10分間平均)が17.2m以上のものを台風と呼ばれています。したがって台風接近時の上棟は延期する必要があります。