B.木造住宅の施工計画 04.施工計画書  SAREX 住環境価値向上事業協同組合(C)2012

(B041)
公共工事では施工計画書が義務付けられていますが、民間の木造住宅では施工計画書の作成は義務付けられていません。しかしなぜ施工計画書は作る必要があるのですか。

はっきりした見通しも立てずに、事を行うことを無計画といいます。逆に計画とははっきりした見通しも立てることです。前もって計画することによって、様々なミスを事前に防止することができ、また、ベテランではない施工管理者の場合でも見落としなく、予定通りに工事を進めることが可能となります。もちろん、安全管理のためにも施工計画書は必要になります。

(B042)
施工計画書も作成されなくても、これまでそれなりに仕事ができていたのはどうしてですか。

それなりの仕事ができた背景として、次のようなものを挙げることができます。
@関係者の中にある「以心伝心」、「阿吽の呼吸」といった意思疎通です。具体的に計画が示されなくても、キックオフミーティングなどで、簡単なブリーフィングを行えば、「以心伝心」で意をくみ取って実施してきました。また仕事をする関係者が調整しなければならない時間的、空間的インターフェース部分も、「阿吽の呼吸」で処理してしまいます。
APDCAのC(チェック)といっても、建築工事標準仕様書など公的な仕様に適合しているかどうかで、計画(P)通りに実行(D)されたか、顧客要求通りに実行実行(D)されたかのチェックはあまり行われていないからです。
B計画を作成し管理する人々よりは、実際に仕事をする協力業者の方にノウハウが蓄積されているということもあります。ノウハウがない人が詳細な計画をたてるよりは、アウトラインだけを示せば、後は協力業者の方で自律的にやってくれます。