11 タイー族の家(Tay House)  
     
  タイー族は、ターイ・カダイ語系のタイー・ターイ語グループに属し、人口は、ベトナムの主要民族キン族の次に多い、約163万(2009年)で、父系制、主にベトナム北東部のランソン省、カオバン省、タイグエン省、バッカン省、ハーザン省、クアンニン省、バクザン省などの山麓に居住している。
この高床式家は、タイグエンThái Nguyên省の家族によって1967年に建てられ、1999年に修理され、博物館へ移築された。床は1.8mの高さで、100㎡ほどの面積がある。床の高さは、野生動物を避けるのに十分なもので、木の柱の上に立っており、ほぞ穴に梁などが差し込まれ、釘や金物はいっさい使われていない。
屋根は6000枚のヤシ(Cọ)の葉で葺かれている。葉は、虫に食われないよう、予め木や竹と共に、泥水の中に3~6か月以上浸される。床下では、水牛や牛、豚や鶏などの家畜を飼い、米の籾殻をとったり精米などの作業をしたり、農具の保管場所でもある。また、子供が遊んだり、日差しが強い日中に休んだりする。入り口には土地神を祀る祠がある。
 
     
     
     
     
     
  寝室がないというタイー族の家は布のカーテンや竹を編んだ仕切りを使用することによって寝室を分ける。外側から見ることはできないが、内側からは外が見えるようになっている。