12 ザオ族の家(Dao House)  
     
  ザオ族はモン・ザオ語系に属し、人口約75万(2009年)、父系制で、カオバン省やハザン省、ラオカイ省などの北部ベトナムの山地または中腹に居住している。
ザオ族は居住する場所の地形によって、平屋、高床式、その中間的な家(半分が平屋で半分が高床)など様々なタイプの家がある。この家は1999年にラオカイ省で建てられ、その後博物館に移築された。山の斜面に建てられていたことから、半分が高床で半分が地面の上に直接建てられている。正面の扉に近い高床のところは、接客または家主夫婦の場所で、残りの場所は子供達の場所となっている。またザオ族の家では、祭壇が最も大切な場所とされている。
 
     
     
     
     
     
  ザオ族の家の屋根は、他の少数民族の家と違ってユニークである。太い竹を縦に二つに割り、節の部分を取り去り、谷になる竹の両側に山となる竹を重ねてゆく。この竹製の瓦を挟んでいるのも竹である。  
     
     
     
  ザオ族の家の囲炉裏は、中央の土間部分にある。ここで毎日の食事の準備や薬草の乾燥などが行われる。冬には火が周りを暖かく保ってくれる。  
     
     
     
  家の中では、高床式の床の部分が大きなベッドとなっており、大切なゲストを受け入れることもできる。人々は頭を窓に向けるようにして寝る。正面玄関近くは、家族が寝る部分である。奥の入り口近くには、背の低い壁で区切られた息子の嫁の寝室がある。