リス族(LISU)
リス族は、タイの北部山岳地帯の標高600m以上の山地に住む、少数民族で、チェンライ県、チェンマイ県、タク県、メーホンソン県、ランパン県を中心に153の村に住んでいる。人口は37、916人(Source : Tribal Research Institute, Chiang Mai Province 2002年)となっている。
他国の同族には、中国、ミャンマーのリス族(泰雅族)で、中国に居住するチャン族(羌族)から分離したと考えられている。中国では、雲南省の怒江リス族自治州を中心に同省北部一帯から四川省南部にかけて分布し、メコン河に沿って南下し、ミャンマーやタイに移住してきたとされる。
住居は平土間式家屋で、 風水を重んじ、入り口は山の下り坂の方に向かっている。山の頂の方角である入り口とは反対側の壁に先祖の霊を祭る祭壇がある。

土間式の住居の壁は、竹を縦使いしている。防水的には縦使いの方が優れている。高床式のカレン族などは竹を横使いするが、壁を斜めにすることによって、雨の浸入を防いでいる。玄関の前には、柱を立てて大きく軒を出している
壁に吊られた棚は、祖先の祭壇。
寝室の間仕切り壁も、太い竹を平面状に拡げたものを用いている。
農機具置き場。
囲炉裏とその上部の吊り棚。
リス族の屋根の葺き方は、竹の棒に簾のように屋根葺き材を編み込み、芯にした竹棒と屋根の竹製のたる木に縛りつけるといったものである。
1.収納棚 2.農機具置き場 3.囲炉裏 4.かまど 5.寝室 6.客用縁台
7.祖先の祭壇
Last modified: Jan. 27 09:17:00 JST 2007
(c) Dr.Shigeaki Iwashita