カレン族(KAREN)
カレン族は、タイの北部山岳地帯から中西部の標高500m〜1000mの山地に住む、人口が最も多い少数民族で、メーホンソン県、チェンマイ県、タク県、ランパン県、ランプン県、カンチャナブリー県、ラチャブリー県、ペチャブリー県、プラチャップ・キリ・カン県を中心に1925の村に住んでいる。人口は438、450人(Source : Tribal Research Institute, Chiang Mai Province 2002年)となっている。
他国の同族には、ミャンマーのカレン族で150万〜300万人くらいがいる。タイへは18世紀にミャンマーから移住が始まったといわるが、さらに。してやってきたようである。
ミャンマーを中心に民族独立闘争を行っており、難民としてベトナム、シンガポールなど各地に居住している。以前は、農業は女性、狩猟は男性という生活をしていた。象を調教するのは、山岳民族の中ではカレン族だけで、多くの観光客が象乗りツアーにカレン族の村を訪れる。
昔は全ての村人が一つの高床式長屋に、それぞれの核家族ごとに、20から30の、個室に分かれて住んでいたが、現在は独立した高床式家屋に住んでいる。
カレン族の高床に上り下りする階段は竹製で、太い竹に穴を空け段板に相当する細い竹を差し込んでいる。
屋根を入母屋にして、さらに壁を斜めにすることによって、熱帯の豪雨から建物を守ってくれる。
右側に見えるのは竹製の収納棚。
右側に見える竹製の棚は、囲炉裏の上部に当たる部分で、この棚に肉や魚などを載せて、干物や燻製にしたに違いない。タイ語でベップカヤイ・タウファイと説明されている。中に入れないので囲炉裏の炉の部分がどうなっているかはわからない。高床式の床でどうやって防火対策をしたのだろうか。北部タイの山岳地は冬になると結構寒くなるので、囲炉裏の廻りに家族で座って暖をとったにちがいない。また窓のない山岳民族の住まいでは囲炉裏は明かりがわりにもなる。
玄関ポーチ。
竹製の階段。
足踏み臼。
1.玄関ポーチ 2.客用縁台 3.水甕 4.収納棚 5.寝室 6.囲炉裏
右側の上から、囲炉裏の竹製棚、屋根の竹製の屋根頂部の千木(ベップカヤイ・デュア)、竹製の梯子階段(ベップカヤイ・バンダイ)が図解されている。
Last modified: Jan. 27 09:17:00 JST 2007
(c) Dr.Shigeaki Iwashita