ブータン民俗博物館
(The Folk Heritage Museum/
    Phelchey Toenkhyim

ブータンの伝統的な建築様式の古い農家を改築した民族博物館で、ここでは伝統的なブータンの生活様式を見学する事ができる。内部には仏具や農具から台所用品などの展示がなされているが、残念ながら博物館内部は撮影禁止になっている。
水車小屋。
水車小屋に水を運ぶ、木製の導水路。
木の導水路からの水が、この水車を回す。水車の軸は、上部の石臼につながっている。
麦や米、とうもろこし等は、この篭から石臼に落とされる。
摩尼車の小屋、摩尼車はチベット仏教で使われる、お経の入った筒で、1度回すとその筒の中のお経を1回読んだのと同じ功徳を得られるという。
樹木の左側に見える3階床から降りてくる木製の木樋は、3階のトイレの排便管である。
最近では亜鉛波鋼板葺きがほとんどであるが、伝統的な工法では、屋根は石置き板葺屋根である。
民族博物館の外塀を伝統的方法で修復していた。塀だけでなく建物の土壁もこうした方法で叩き積み上げれていたはずだ。日本の土壁は小舞壁で、竹を格子状に組んだ骨組の両面に土を塗って壁にしている。
コンクリート打設時のセパレーターに相当する両面を繋ぐ角材は、建物の外壁の場合、3寸角程あり、両面の型枠の固定だけでなく、足場を支える役割も果たしている。
ブータン(BHUTAN)
パロ
パロ川によって作られた平地があるパロは、ブータンの空の玄関口になっている。パロの標高は2300m程度。
パロのメインストリートには電柱が一切ない。道に停められている車を除けば、100年前の姿とほとんど変わっていないはずだ。もちろんブータンに電気がないわけではない、景観を守るために全ての電線を地中に埋めたからである。    輸出額の60%はインドに売っている水力発電所の電力である。
ブータンの国技はアーチェリーで、戦史にも深く関わってきた伝統のスポーツである。オリンピックなど競える唯一国際レベルなスポーツである。大きな町には必ずアーチェリー場がある。
パロ・ゾンは、リンプン・ゾン(宝石の山の城)という名前を持ち、パロの街を見下ろす場所に建てられている。15世紀にチベットから戻ってきた僧がこの場所に建立したのが始まりといわれる。20世紀初めに火事によって焼失した後に再建されたものである。
パロ・チュー(パロ川)に架かるこの屋根がついたキャンチレバー橋は、ブータンの伝統様式の橋である。川沿いにから、キャンチレバー橋、その上にパロ・ゾン、さらにその上に国立博物館を見ることができる。   
国立博物館。もともとはすぐ下のパロ・ゾンを守る望楼(タ・ゾン)であった円形の建物で、建物の上部から入り、展示物を見学しながら下へ下へと下りて行く。ブータン唯一の国立博物館だけあり、仏像やマンダラから農具、動植物、金属細工、切手までと非常に豊富な展示物がある。
ティンプー
ティンプーはブータンの首都である。標高約2,400m。1950年代に第3代国王ジグミ・ドルジ・ウォンチュクが町の北に宮殿を建設して、 年間を通じて居住するようになった。それまでは夏季はティンプー、冬季は比較的温暖なプナカというように首都機能を季節によって移していた。
タシチョ・ゾン。ブータンの政治と宗教を司る、国の中央政庁である国王のオフィスと、宗教会の最高権威であるジェ・ケンポ大僧正の部屋がある。釘を一本も使わず、伝統的手法で建てられている。
プナカ
プナカは標高が1350mと低いので暖かく、1995年まではブータンの冬の都になっていた。
プナカ・ゾン。今でも冬にはティンプーのタシチョ・ゾンからジュ・ケンポ(大僧正)や1000人近い僧がやってくる。


Last modified: Feb. 11 13:17:00JST 2010
(c) Dr.Shigeaki Iwashita